就活をしました

就活をしました

 

とは言っても、中小やベンチャー企業の合同説明会や大手企業のセミナーに参加してきただけだけど。そこでやった内容は主に企業説明とグループディスカッション。自己アピールのために声を張り、人事のくだらない話にゲラゲラ笑うという、不自然で、違和感に包まれた空間だった。

 

説明会当日、朝8時ごろ起床し、家事の諸々を終えてからスーツに着替えてみた。普段着ることがまるでないパキパキのワイシャツは鎧のように窮屈で、ネクタイはどこまできつく絞めても襟元の細い部分が見えていて、カラーが首に食い込むくらいのところでようやくサマになった。(決して僕が太った体型をしているわけではない。)

 

ここまで記述すれば言わずもがなだが、スーツは着ていて心地の良いものではない。ネクタイの絞まり具合は首輪のそれと何ら変わりはない(首輪を嵌めたことは決してありません。)。昔よく見た、鬼嫁がサラリーマンの夫のネクタイをつかんで引き摺り回す絵面はむしろ正しい用途だったのではないだろうか。革靴はまるで鉄板のように硬く、人でいっぱいの阪急電車に乗っている間、アイアンメイデンに入れられている感覚を味わうことができた。

 

服を着るだけでここまでの仕打ちを受けるとは不本意だ。まるで奴隷じゃないか。これも今さら言わずもがなだが。こんな「奴隷用拷問服」を着て、自腹切りながら多くの企業に品定めされていく。己の価値も否定されていく。なぜこんなことに誰も、疑問を持たないんだ?スラムで行われる人身売買と、何が変わらないのか?

 

多くの大人たちに言われた。「第一希望の企業に入れるなんて余程ラッキーじゃないと無理。」「就活やめたらダメだよー。」「何のために働いてるか考えてみたけど......休みの開放感を味わうためしかないわ。」

 

正直僕は就活に出遅れた。一部の企業ではエントリーを締め切り始め、多くの企業もここ一週間で次の選考に移ろうとしている。でも僕はあまり焦っていない。むしろ内定が決まらない方がいい気さえしていて。この時点で就活をするだけ無駄なのかもしれない。勉強しよう。